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本を読みたくなる季節

ここ数年、目の疲れもひどく、なかなか読書がはかどらない状態が続いているが、そんな自分でも、なんだか本が無性に読みたくなる季節がある。年末年始、夏休み(実際、長い休みはないのだけれど)、そして涼しくなり始める秋の初め、だ。

大きな台風が過ぎ去って(また次の台風が来ているが)、一気に涼しくなった。最近の日本は、本当に季節の移り変わりが急だ。ほんのこの間まで暑くてしょうがなかったのに、ここ数日は長袖でも肌寒い。

秋がやってきたと感じるや、なんだか読書がしたいという気持ちになるのは、やはり秋は読書の季節だ、という昔からの刷り込みがあるからだろうか。夜も長くなるし、早く帰宅して自分の部屋で落ち着いて本を読みたくなる。

そんな今、何を読んでいるかというと、まず稲泉連『「本をつくる」という仕事』(ちくま文庫)。本好きなら、やっぱり本がどのようにできるのか気になるもの。この本は文庫なので、出先にも持ち歩いて少しずつ読んでいる。

それから、全然読み終えられる自信がないのだけれど、リチャード・パワーズ『黄金虫変奏曲』(みすず書房)も買ってしまった。まだほんの数ページしか読んでいないけれど、今から挫折しそうな気がして仕方がない…。軌道に乗るまでなんとか読み続けられれば、その後は大丈夫なのかもしれないけれど。

そのほかにも手をつけてはしばらく放置してある本がたくさんあるので、この読書の秋に、一冊でも多く読み終えたい。
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減らない未読本の山

また更新が半年以上滞ってしまった。

本は少しずつ読んではいるが、あくまで少しずつなので、全然進まない。本を買うペースも以前より落ちている。買ってもなかなか読み進められないので、未読本の山が積み上がる一方だからだ。

それでも、一日数ページでもとにかく読んでいくことが大切だと感じる。全く本を手に取らなくなってしまったら、本当に(自分にとっては)終わりだと思うから。

子供の時から濃淡はあれど、ずっと本を読んできた。この10年くらいは読書のペースがかなり落ちているけれど、それでも、今も本に囲まれて過ごしている。時間ができて気が向いたら少しでも本のページをめくることができるように。


というわけで最近は、中断していたカズオ・イシグロ『クララとお日さま』を再び読んでいる。

正直にいうと、やっぱり自分はイシグロ作品の中でクローンとかAIロボットというテーマを扱った、SFっぽい作風の作品が苦手かもしれない…。『わたしを離さないで』も、とても人気があるのは知っているけど、自分にはあまり合わなかった。

そして今回も、読んでいてしっくりこないまま、数カ月中断してしまっていたのだが、それでもやっぱり読み終えてしまおうと思い、再び手に取ったのだ。

途中までは、あまりストーリーが進まず、半ば義務的に読んでいたのだが…、イシグロ作品のすごいところは、ある地点で、ああそういうことだったのか、この物語はこういうことが言いたかったのか、と思わされるところが必ず訪れるところだ。

そしてこの『クララとお日さま』でも、物語後半を過ぎてからそういう場面がやってきた。久しぶりに思い出したこの感覚。

そしてこの感覚があるがために、毎回、(たとえ好みのジャンルじゃなかったとしても)イシグロ作品の新刊が出るたびに手に取ってしまうのだ。

物語もあと数十ページとなって、これであとは結末を見届けるだけ。年々、忍耐力も衰えてきているけれど、やっぱり読書には根気も必要だ、と再認識させられた。

年末の読書

今年はあまり本が読めない一年だった。このブログもずいぶん長く放置状態にしてしまった。

最近は少しずつ、本を読んでいる(エッセイなど、軽めのものが多いが)。そして本も買ってはいる。

パソコンを開くのが少し億劫で、ブログを更新するのが滞ってしまったが、このブログもタブレットにキーボードをつけて更新することにしようと思う。来年こそはもう少し本を読んで、このブログも細々と続けていきたい(毎年言っているような気がするが)。

最近買った本としては、まず堀江敏幸『定形外郵便 』(新潮社)。

堀江さんの本でさえ、最近は未読のまま何冊か積んでしまっているので、早く読まなければ…。

読み始めれば、その静謐な世界に入り込めるのだが、忙しない日常に紛れて時はすぐに過ぎ去ってしまう。そしてもう今年も終わろうとしている。

年末に少し懐が温かくなった瞬間を狙って、高額な本も買った。

マリオ・プラーツ『生の館』(みすず書房)と『記憶の図書館: ボルヘス対話集成』(国書刊行会)。

これらの分厚い本は持ち歩きはできないし、家で読むしかないので、いつになるか分からないが、でも一気に読まなければならないタイプのものでもないので、少しずつ読んでいくことにしたい。

また新たな変異株の出現で、家にいることになりそうなこの年末に読むのに、ピッタリかも。

『死ぬまでに行きたい海』など読書中

昨年購入して少しずつ読んできたドナルド・キーン『黄犬交遊抄』(岩波書店)を読み終えたので、次は、岸本佐知子『死ぬまでに行きたい海』(スイッチ・パブリッシング)を読んだり、そしてKindleでミン・ジン・リー『パチンコ』(文藝春秋)を読んだりしている。


『死ぬまでに行きたい海』は、岸本さんが幼い頃の思い出の場所や会社員時代のゆかりの場所、あるいは一度行ってみたいと思い描いていた土地に出かけて行った体験などをつづったエッセイ集。

岸本さんというと、ぶっ飛んだ発想とか妄想たくましい不可思議なエッセイがおなじみだと思うのだけれど、このエッセイ集は一見、なんだか普通の紀行エッセイみたいだ。

でもそこは岸本さんのこと、やはりいっぷう変わっている。場所のチョイス、そしてそこですること、考えること…やはり少し変わっている。

だが猛烈に、自分も真似して、これまでの人生で記憶に残っている、いろんな場所に行ってみたくなる。

今はコロナで遠出はできないけれど、例えば、自分の住んでいる町で、気になっていたものの今まで行ったことがなかった場所や、一度も降りたことがなかった駅など、身近なところに出かけてみたりすることはできそう。


そしてKindleで読んでいる『パチンコ』、こちらはアメリカで評判になった小説ということもあるが、Appleがドラマ化する(そしてそれにイ・ミンホがキャスティングされた)ので、その前に原作を読んでおきたい…という、いささかミーハーな動機で読み始めた。

さすがアメリカでベストセラーになっただけあって、物語の力と登場人物の魅力で、ぐいぐいと読み進められる。今、上巻の終わり近くまできた。この先、ストーリーがどうなっていくのか楽しみだ。


Netflixでは、最近、『ブリジャートン家』を一気見した。19世紀のロンドンを舞台にした「ゴシップガール」、というふうにも言われているみたいだけれど、私は「ゴシップガール」を見たことがないので…、思い浮かんだのがジェーン・オースティンの小説世界だった。一家の将来のため、長男あるいは長女が、より良い条件の結婚をしようと四苦八苦する。

久しぶりに、改めて、ジェーン・オースティンの小説を読み返してみたいと思った。

このドラマは、ジェーン・オースティン的結婚狂騒曲を題材にし、19世紀という時代を舞台にしながらも、登場人物(特に女性たち)の抱える数々の苦悩の中に現代的な視点も取り入れられていて、そこが新鮮に感じられた。

『サンセット・パーク』読了

昨年から読んでいた、ポール・オースターの『サンセット・パーク』(柴田元幸訳、新潮社)を読み終えた。

オースターの最近の作品というと、人生半ばに差し掛かった中年以降の男性が主人公になっているものが多かったように思うが、この作品では28歳の青年であるマイルズが主人公。しかし若い時に起きたある出来事によって、大学をやめ、家族と連絡を絶ち、各地を転々としながら生きるためだけに仕事をし、誰とも深く付き合わず、世捨て人のように暮らしている。

そんなマイルズがある日、ピラールという少女(まだ高校生)に出会って、少しずつ変わっていく。しかし、これまたトラブルに巻き込まれそうになり、逃れるために、唯一連絡を取り続けていた友人の誘いに乗ってニューヨークで暮らすことにする。


ニューヨークはマイルズが育ち、家族が暮らす街。だが、家には戻らず、友人たちと打ち捨てられたあばらやに不法占拠することにするのだ。

若い時の「事件」以来、息を潜めて、なるべく人との接触を避けるようにしてきたマイルズ。ピラールに出会って、彼女との未来を夢見るようになり、それだからこそまたトラブルから逃れるためニューヨークへ来たのに、なぜあえて別のトラブルのもとに飛び込んでいくようなことをするのだろう?


でもこれがまた、なんとも奇妙だが、不思議と魅力的に思える同居生活なのだ。

まず同居する他の男女3人がそれぞれ不器用ながら、個性的な人物ばかり。皆いろいろと問題を抱えているが、お互い尊重しあって、結構うまく生活していく。そして、いつか必ず終わりが訪れる、不安定な不法占拠状態。

だからこそ、束の間のこの「平和」を、皆が大切に思い、この不思議な同居生活がうまくいったのだろうか。

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巣ごもり生活

年末から年始にかけて、コロナの感染拡大もあって、あまり外出をせず、ほとんど家の中で過ごしていた。もともと、割と出不精な方で圧倒的にインドア派なのだが、現在は特に、Amazon primeやNetflixなど、動画配信サービスの充実もあり、家にいなければいけないのであれば、いくらでも家で過ごせる。

(それでも、おおっぴらに出かけられない、外食がしにくいというのはやはりストレスではあるけれど。特に、あまり料理をするのが好きではないので、時折レストランや居酒屋で美味しい物を食べたいなーという気持ちにはなる)


で、年末年始は主に、Netflixで「ザ・クラウン」を見ていた。それまで韓国ドラマをよく見ていたけれど、見たいものは大体見てしまったので、とうとう欧米のドラマにも手を出してしまおうかと。

なぜそれまで欧米のドラマをあまり見てこなかったのかというと、やはり長いというイメージがあったから。シーズンがいくつにもわたり、しかも続きのシーズンがいつ配信されるかも分からなかったりする。続きが気になって仕方がないタチなので、ドラマは一気に見たいのだ。

ザ・クラウンも今配信されているのはシーズン4までで、続きがいつ見られるか分からないけれど、まあ現実のイギリス王室を題材にしていて、大体のストーリーはわかっているわけだから、気長に待っていようと。


年始にシーズン4まで見終わった。

ドラマの中身についてはいろいろなところで語られているので省略するけれど、思い知らされたのは、自分は本当にイギリスの歴史を知らないな、ということ。ヨーロッパに興味はあってもフランスやイタリアばかりで、考えてみたらイギリスの歴史についての本はほとんど読んだことがない。特に、このドラマではエリザベス女王が即位してからの歴史を中心に描かれるので、戦後の現代史ということになるのだが、知らないことだらけで、なんだか新鮮だった。

また日本人からすると、イギリスというとまずロンドンを中心としたイングランドのことが思い浮かぶと思うが、ウェールズやスコットランド、アイルランドなどについてももっと知りたいと思った。


最近、目の衰えもあって、ついドラマや映画など映像作品を見てしまうことが増えたのだが、そこを入り口に、読書に結びつけていけたらいいなと考えている。

『生の館』など 欲しい本

緊急事態宣言が発令されるのを前に、書店に行ってきた。

まあ、緊急事態宣言が出ても、今回は飲食店以外に関しては昨春のようには厳しくないので書店は閉まらないし、慌てなくてもいいのだけれど、それでも、なるべく外出は控えることになるだろうから、今のうちにと、街に用事のあったついでに立ち寄ったのだ。

宣言前だといっても、街からだいぶ人は減っていた。感染拡大防止のためとはいえ、やはり人通りの絶えた街の姿を見るのは本当に悲しい。


書店には、巣ごもりを前に本を買い求めようという人が少なからずいた。いつものように海外文学の棚を見て、目に留まったのが、マリオ・プラーツの分厚い本。『生の館』(上村忠男監訳・中山エツコ訳、みすず書房)。

パラパラとめくって、ああ欲しいと思ったが、なにせ値段が税抜き8,800円、税込みだと9,680円。

さすがにその場では買えなくて、帰宅してからどんな本か改めて調べた。

綺想、そしてロマン主義の英文学研究で名高いイタリア人学者が1934年から69年まで住んだローマ・ジュリア通りのパラッツォ・リッチの部屋をひとつずつめぐり、室内を通して時代と人生を語る

高いが、やはり欲しい。
本の値段を、飲食の値段(特に一回の飲み会代)と比較する、という自分なりの物差しがあるのだが、この本の場合、飲み代と比べても高い。…でも最近は、飲み会もほとんどないわけで、そう考えれば、買えなくもない??

というわけで、いつか、そのうち、買うつもり。


そのほか、フィリップ・フォレスト『洪水』(澤田直/小黒昌文訳、河出書房新社)、『須賀敦子が選んだ日本の名作: 60年代ミラノにて』(河出文庫)なども気になった。

新年の目標

読書の秋…と言っていた前回更新から、あっという間に3カ月余りがたってしまい、年が明けてしまった。

「コロナの時代」は、節目節目のイベントがほとんどないまま月日が過ぎていってしまうので、メリハリなく、のっぺりとしている気がする。そしてとにかく、過ぎ去るのが早い…でもこれは、コロナのせいだけではなく、自分が年をとったからかもしれない。


新年に立てた自分なりの目標として、今年こそ、毎日読書を1ページでもする、というのがある(そのほか、毎日5分でもいいからピアノを触る、語学の勉強を少しずつでもする、備忘録がわりにスマホの日記を毎日つける、など)。

今年も早10日になろうとしているが、その一つとして守れていない。我ながら情けないが、まだ今年も10日しかたっていないのだから、今からでも、少しでも目標を達成できるように頑張ろう、と思う。


現在、コロナの感染が急拡大中で、しばらくはまた自粛生活が求められることになると思うので、この機会に、読書(やピアノや語学の勉強)を今年こそ頑張りたいと思う。なんだか小学生の日記みたいだが…

読書の秋…今年こそ

今年もあと3カ月あまり。本当に、時が飛ぶようにすぎていく。時間がたつのが早い、と感じるのは今に始まったことではなく、ここ10年くらいずっとそうだけれど、でも今年はコロナのせいで、特にそう感じる気がする。

旅行に行くこともなく、大勢での会食もなくなり、少人数で飲みに行ったりすることもめっきり減った。そのおかげで家にいる時間は増えて、いろいろやりたかったことをするチャンスなのだろうけれど、なかなか思うようにいかない。

家で食事をする回数が増えて、支度に時間を取られる。食事中、そしてその後もついついNetflixを見てしまうし、趣味のピアノもちゃんとやろうと思うと時間を割かなければならない。語学の勉強もしたいし、読書も…。
特に読書は年々、目の疲れから、細かい字が辛くなってきた(もちろん、スマホやパソコンの方が目は疲れるのだが)。

…なんて、愚痴を言っても仕方がないので、少しずつでも未読の本の山を崩していかなければ、と思っている。

長かった梅雨、そして暑かった夏もやっと過ぎ、まだ残暑を感じる日もあるものの、朝晩などはだいぶ涼しくなってきた。夜も長くなってきて、外食がめっきり減った現在、家で読書をするにはぴったりの環境だ。

毎年、秋になると「読書をするぞ!」と思うのだが、今年こそ、読書の秋を実現させたい。


コロナ時代に読みたい本

新型コロナウイルスの感染者の数は落ち着いてきて、緊急事態宣言も北海道や首都圏以外では解除され、少しずつ日常を取り戻しつつある。

それでも、すっかり元どおりというわけにはなかなかいかないだろう。人混みや密閉した空間を避けたりするなど「新しい生活様式」とやらを実践していかなければ、また感染が拡大してしまうかもしれない。しかもその結果は時間差で2週間後に現れるのだ。常に、再度の感染拡大への恐怖と隣り合わせで過ごしていかねばならない。


このような状況の中、やはりいろいろと考えさせられることが多い。

個人的には、職場への通勤は続いたので、劇的に生活が変わったというわけではないのだけれど、それでも、退勤後や休日に家で過ごす時間が増えて、何かこれまでとは違う本を読もうかなという気持ちになった。何かこれからの時代に自分の指針というか心の支えになるような本はないだろうか…。

とはいえ、感染者や死者が増え続けていた時期には、なんだか本を手に取る気持ちになれなかった。どうしてもテレビやネットでニュースを見てしまったり、あるいは気を紛らわせようと、ネットで映画やドラマを見たり。状況が落ち着いてきたこのごろやっと、ゆっくり本でも読もうかという気持ちになってきた。


カミュの『ペスト』(新潮文庫)がよく売れて、一時は品切れになったくらいだったけれど、自分としては若い時に読んでいるので、今回は何か他の、できれば長くて、普段読めないような本が読みたいと思った(『ペスト』もまたそのうち読み返してみたいなとは思っている)。


で思いついたのがトーマス・マンの『魔の山』だった。確か大学の時に課題になったんだったか授業で話題に上ったんだったか、本を買ったものの長らく積んだままになっていたのだ。持っている本は岩波文庫だったはずだけれど、どこか本棚の奥の方にしまわれてしまっているので、今回はKindleで新潮文庫版を買ってみた。

まだ上巻の初めの方であまりストーリーに入り込めていないのだけれど、今回はなんだか、最後まで読み通せるような気がしている。

なんだか、こんな時にはやっぱり重厚長大で、普遍的な価値観を提示してくれるような古典を読みたいと思ってしまう。他にもまだ読めていない古典が本棚にたくさん控えているので、これから少しずつ読んでいきたい。

『サンセット・パーク』など購入

今のところ、仕事には影響していないが、それでも、外出の頻度が減り、休日に旅行に行ったりすることもなくなったので、家で過ごす時間が増えた。

以前も本だけは相変わらず買っていたが、最近ますます本を買うことが多くなった。

最近では、ポール・オースターの『サンセット・パーク』(新潮社)が出たので購入。

オースターの小説は、出るたびに毎回買っていると思うが、たとえ物語が同じようなパターンで進むとしても、全然飽きない。なぜだろう? おなじみの展開だとしても、どこか新しい発見があり、今回はこうきたか、と新鮮な驚きがあるからだろう。

そのほか、『クララ・シューマン ヨハネスブラームス 友情の書簡』(みすず書房)も購入。これは装丁もとても美しい本。

これまで、ブラームスの曲はあまり弾いてこなかったのだが、年を重ねてきたせいもあるのか、ブラームスの重厚で甘い旋律が心に染みるようになってきた。それで今、ブラームスの曲集に取り組んでいるので、この本を読んでみようと購入してみた。
ブラームスについては、伝記的な知識もあまりないので、この機会にいろいろと読んでみたいと思っている。

我慢の日々

コロナウイルスのため、いろいろと我慢を強いられる日々が続いている。

半年前からチケットを押さえていたコンサートも中止(しかも違う会場では開催する、という謎対応…)。今なら空いていると言われても、なんだか旅行に行くのもはばかられる。万が一、職場にウイルスを持ち込んだら皆に迷惑がかかるわけだし、油断はできない。
休みの日にはなるべく家でおとなしく過ごし、移動はできるだけ徒歩で。電車やバスに乗るときも、息を潜めてじっとしている、といった感じ。

と言っても、ずっとそんなふうではなかなかストレスが溜まるので、時折街に出ては春物を買って発散したりしているが…街もとても空いていて、デパートも、レストランも、飲み屋街も、どこも人が少なくて、本当に心配になる。こんな状態がいつまで続くんだろう? 感染の広がりはもちろん心配だが、この先の経済状況ももっと心配だ。


日本以上のスピードで感染が広がってしまったイタリアでは、ついに全土で移動が制限されてしまった。ミラノも、ヴェネツィアも人がいない。普段なら明け方でもこれよりもっと人がいるだろう、というくらいに。

ツイッターを見ていると、#iostoacasa(私は家にいる)とか #andratuttobene(全てうまくいく)とかいうハッシュタグが並んでいて、皆いろいろと不安を抱え、辛抱を強いられながらも、そのうちきっと良くなると自分に言い聞かせ、なるべく楽観的でいようとしている様子が感じられる。



自分も、家で過ごす時間が増え、この機会になるべく本を読んだり、ピアノの練習をしたりしようと思うが、つい不安からテレビやネットを見てしまって、なかなか落ち着いた気持ちで取り組めない…。

でも、こんな時には本当に、本の力は結構大きいのかもしれない。

たとえば、カミュの『ペスト』が売れているのだそうだ。自分もかなり昔(20代のはじめくらい?)に読んだが、すごく大きな影響を受けた。
今、こんな状況で読んだら、もっといろいろと感じるところがあっただろうな、と思う。昔読んだ文庫もどこかに埋もれていると思うが、Kindle版でも持っているので、久々に読んでみようかな。

現在読んでいる本

今のところ、ほんの少し、昨年までより本を読む時間が取れている気がする。

それは昨今の「働き方改革」という名の人件費削減の動きによって、在宅時間が少し長くなったおかげもあるかもしれない。毎日ほんの数十分だとしても、積み重なると結構な時間になり、身体への負担も心なしか軽くなった気がする。収入がダウンするのは問題なのだが。

やるべきこと、やりたいことは他にもいっぱいあるが、新たに使えるようになった時間はなるべく読書に充てたいと思う。就寝前のほんの10分、15分でもだとしても…


最近読んでいる本は、町屋良平『ショパンゾンビ・コンテスタント』(新潮社)。題名からも分かるように、ピアノ、そしてショパンコンクールにまつわる小説だから、手にとってみた。

でも正直…世代的なものなのかちょっと文章についていけなくて少々読みづらい…(小声)。筆者とはひと回りも離れていないはずなのだけれど(汗)。個人的に、現代の日本人作家の作品をほとんど読んでこなかったからかもしれないが。

それでも、ピアノにまつわる薀蓄や、引用されている数々のピアニストたちの箴言など、読んでいて面白い部分もあるので、頑張って読み通そうと思う。今年は5年に1度のショパンコンクールの年でもある。


そしてもう一冊、ジュンパ・ラヒリ『わたしのいるところ 』(新潮クレスト・ブックス)。

自分にとってなじみ深いラヒリの作品は、どんな気分の時でも安心して手に取って読むことができる。この本は彼女が母国語でないイタリア語で書いた小説ということで、今までの作品よりさらに読みやすくなっている。文章がやさしくても、内容が薄いということは決してないのだが。

読もうと思えば一気に読めてしまうけれど、もったいないので、少しずつ、味わうようにして読んでいる。


音楽関係では、アンドラーシュ・シフ『静寂から音楽が生まれる』(春秋社)も、折に触れて手にとっている。ハードカバーで分厚いので、外に持ち出すことはほとんどしていないが、家で、小さな音で音楽をかけながら読んだりしている。

アンドラーシュ・シフのコンサートには昨秋、出かけてきた。ベートーヴェンの協奏曲全5曲を2日間かけて演奏するという趣旨で、私はそのうちの1日しか行けなかったけれど、非常に良かった。

小規模なオケということもあってか、一般的に抱く重厚でシリアスなイメージからはかけ離れて、軽やかで楽しげなベートーヴェンだった。先日、コンサートの模様がNHKで放送されたようだが録画を逃してしまったのが悔しい。


『82年生まれ、キム・ジヨン』読了

チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)を読了。

いろんなところで聞いていた反響から、もっと凄まじいエピソードがつづられていて、重い内容なのかと思っていた。だが、思っていたほどではなく、これくらいなら自分や、あるいは周りが体験してきた経験から考えてもありふれた話だし、なぜそれほど反響が大きいのか不思議に思うほどだ。それほどまでに、これまでこのような本がなかったのか?

今まで、韓国の小説をそれほど読んでいないし、日本でも、いわゆるフェミニズムに関する本を読んできたわけではないからよくわからないのだけれど。「me, too」の動きなど、時期的にタイムリーだったこともあるのだろうか。


この本では82年生まれの「キム・ジヨン」氏について、淡々と、ノンフィクション風につづられていく。祖母や母が背負ってきた苦労や辛酸、そしてキム・ジヨン氏が体験した出来事。

祖母や母の時代は家族のために勉強も思うようにさせてもらえず、キム・ジヨン氏の世代は、勉強を必死に頑張ってきたが、いざ社会に出ようとする時に壁にぶち当たる。そしてその壁は就職してからも、結婚してからも、事あるごとに現れる。


個人的にも、これまでの人生で、数々の「女だから」という理由で経験してきた出来事の積み重ねにより、一つ一つは比較的小さな出来事かもしれないが(自分の人生を一瞬で変えてしまうような、犯罪に巻き込まれたなどの大きな経験はない)、確実に傷つき、だんだん諦めに似た感情を抱くようになった気がする。

自分の場合、学校にいる間は性差による「差別」というものに比較的無縁だった。少なくても筆記試験の点数では頑張っただけ結果が出て平等だと思っていた。それでも昨今、公平公正たるべき入試でさえも堂々と得点が操作されていたという事実が明るみに出て、衝撃を受けたのだが。


まだまだ世の中には他にもたくさん差別があり、それぞれ一つずつ解消していかねばならないが、人類の半分を占める「女性」だというだけで、いまだこれほどの差別・制約が残っているのは、やはり不条理なことではないだろうか。

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いろんな場所で細切れ読書

なんだか年々、時間が過ぎるスピードが速くなっていて、この間年末でなんだかせわしない…などと思っていたら、もう年が明けて20日あまり。
ここ数年あまりにも本が読めていないので、今年こそは!と思っているけれど、なかなか急に生活を変えることもできないし…

毎日、電車やバスに長いあいだ揺られるということもなくなって、決まった読書時間は取りづらいけれど、それでも少しでも本を読んでいこうと、いろいろ工夫を凝らしている。


枕元には以前から本が何冊か積んであるけれど、枕元に置いてあるLEDライトは暗くて、あまり長時間読めなかった。かといって、寝室全体を照らすペンダントライトを付けて読書をすると、睡魔が襲ってきた時に、ライトを消すために一度布団から出なければいけなくて、せっかく訪れた睡魔がまたどこかに消えてしまうのが嫌だった(個人的に寝付くのに結構苦労するほう)。

だから寝室全体を照らすペンダントライトをアレクサ対応のものにして、いざ眠る時に「アレクサ、ライト消して!」と言えば済むようにした。


あとはトイレにも何冊か置いてあるのは以前からだが、最近は、なるべく細切れ時間で読めて中断しても気にならないような、短めのエッセイ集やノンフィクション、あとは軽めの小説を置いている。面白くてそのまま続きを読みたくなればそのまま持ち出せば良いのだし。


ずっと前に買ったKindle端末も、防水機能がある最新のものにして、お風呂に浸かりながら読めるようにした。出かける前や夏などにはあまり長時間浸かる気にはなれないが、今の時期には身体を温めるため長く浸かることも多いので、結構たくさん読める。


Kindleの専用端末はスマホやタブレットに比べて目が疲れにくいので、活字だけの本を読む時には重宝している。重厚な古典系の小説とかも、Kindleでなら読めそうな気がして(あくまでも、そんな気がしてるだけですが…)昔文庫で持っていた古典をKindle版で買い直したりしている。

ただKindleで不便なのはやはりページを行ったり来たりする、ペラペラめくってそれまでの展開を振り返る、みたいなことがしにくいことかなー。こまめにハイライトやメモ機能を使えばいいのかもしれないけれど。

うまく紙の本と使い分けていきたいと思う。

そんなこんなで、今年こそは、これまでよりも本を多く読んでいきたい。未読本の山も少しでも切り崩さなければ…

プロフィール

うたたねねこ

Author:うたたねねこ
いつも本を読んでいられて、おいしいコーヒーがあって、傍らに猫がいれば、とりあえず満足。
 
近年はなかなか行けませんが旅も好きなので、語学の勉強も少しずつしています。

最近は読書のペースが落ちて、ブログの更新も少なくなっていますが、これからも少しでも読書の時間をつくってブログを更新し続けていきたいです。


※本のタイトルは原則、Amazonのページにリンクされています(アフィリエイトを利用しています)

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